砂田麻美初監督作のドキュメンタリー映画「エンディングノート」、
先日、やっとこ観に行くことができた、のを、やっとこブログにUP。
麻美とは、同じ大学同じキャンパスの同級生。
知り合ったのは入学前で、在学時代から彼女が映像を作っているのを知っているだけに、
ついに初監督作品が世に出たことを、友人として、嬉しく、また誇りに思います。
(全国上映で、全部シネコンというのも凄いよね。)
肉親、家族と、どういう形かは千差万別であれども、
いつか別れを迎えなくてはいけない時が必ずやってくる。
ガンを患い、69歳で生を全うしてゆくお父さんとその家族の模様というのは、
多くの人が、自分自身ですでに似たような体験を経験済みだったり、
これから体験するだろう物語であるがゆえに、
スクリーンの向こうがとても身近なのです。
だから、この作品を観て、涙で目を腫らす人も多いと思う一方で、
かえって、涙が出ない人もいると思う。
後者は、決して、悲しくない、感動しないのではなくて、
あまりに自分とスクリーンの向こうとがシンクロしてしまうがゆえに、
目頭が熱くなるより、ただただ胸が締め付けられる…というか。
映画って対岸の他人事に対して感情移入していくのに、
何だか自岸の自分事を客観的に観ている気分になる作品だと思った。
麻美が、日に日に衰弱してゆく自分のお父さんをファインダーごしに捉えながら、
悲しくないわけがなくて、でも一方で、同じ制作畑の人間として推察するのですが、
映画の作り手としての感覚は、娘としての感覚とはきっと別次元にあって、
そういう1枚のコインの表裏みたいな中で作られていることが、
この作品の大きな味になっているのだろうと思います。
登場する家族の性格や癖も身内だからこその描写で、
寒いオヤジギャグがひとつ出ると、カメラがやれやれ…って言ってるんだよね(笑)
観る側としても、笑っちゃうんだけど悲しい、切ないんだけどちょっぴり微笑んじゃうみたいな、
opposite side of coinを感じる作品です。
あと、これは書いておきたいと思ったのは、
亡くなったお父さんは、3人の子供に囲まれて、ほんと幸せだったろうな、と。
また、お母さん含めて、残された家族は、兄弟が3人いて、良かっただろうな、と。
日本が少子化傾向になってから久しいです。
もちろん、いろいろな意味で、たくさん子供を育てるのは大変だし、
そういう世の中になっていると思います。他にも、いろいろな事情があるとも思います。
もし、砂田家の子供が1人だったら、ということも想像しながら観てみると、
やっぱり、兄弟が居るということが、親にとっても、子供にとっても、
どれだけ幸せなことか、わかる気がします。
まだ観てないひと、是非、劇場にいってみてください。
いろいろ考えさせられる、というより、いろいろ考えたくなる作品です。
映画「エンディングノート」オフィシャルサイト
http://www.ending-note.com/
何だか、あれですね、偶然にも自分が担当している作品(近日公開、詳細別途)もそうなのですが、
人の老いとか死といった、そういうテーマの作品、これから増えるかも知れませんね。
若くて死すべき悲しい運命とラブストーリー、みたいなのだけでなく、
老いに抗いながら人生を全うしていく人間ドラマ、的な。
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