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ECLIPSE タイムドメインスピーカー

ECLIPSE製スピーカーの試聴会に参加した。

ECLIPSEというブランド名を聞いて、
おっと思った人の多くはカーナビを想像しているかも?
そう、カーナビでも有名な富士通テンのECLIPSEです。

今回、試聴したのは、
ECLIPSE TDシリーズの”TD712zMK2″と”TD307II”。

特に、ハイエンドモデルの前者”TD712zMK2″は
日常的にスピーカーと接している僕にとって衝撃だった。

eclipse TD

ECLIPSE TD712zMK2

スピーカーから聴こえる音の明瞭さを、一般的に「解像度」と表現するのだけど、
その解像度の概念を、ちょっと覆された気分です。

スピーカーは一般的に音楽鑑賞用(リスニング用)と音楽制作用(スタジオモニター)の2つに
分かれるけど、TD712zMK2は、そのデザインからして音楽鑑賞に重きをおいて作られたのだろう。
でも、音楽鑑賞用にも音楽制作用にも使えると思う。
僕自身はエンジニアではないので詳しいことはさておきですが。

音像空間が左右・上下とともに、奥行きが手に取るようにわかります。

僕は普段、GENELEC 8030Aという、普通の音楽鑑賞にはむしろ不向きなほどに
解像度が高いスタジオモニタースピーカーを使っているのですが、
それでも自分のスタジオで作業する曲の99%がコンプで音圧をガツンと上げるような
曲ばかりということも相まって、TD712zMK2の奥行き感の広さには驚嘆した。

担当者の方がマーラーの交響曲第2番(小澤征爾、サイトウキネンオーケストラ)を
リファレンス用に持ってきていたのだが、音の粒がめっちゃよくわかる。
マーラーの交響曲第2番、通称「復活」は僕も大好きで、高校時代から
アホみたいに聴きまくってるのですが、いやぁびっくらこいた。

この曲、エンジニアさん次第でもあるけれど、演奏規模が馬鹿でかすぎて、
オーケストラと言って、みんなが想像しているような楽器やパートの配置とは
違ったりすることも多いみたいなんですよ。

下手したら、バックステージにも副指揮者が居て、トランペットやホルン、
鳴り物系のパーカッションが居たりするからね。その上、大編成の合唱隊に、
背景に音の壁を作るかのような倍音列に従順な押さえ方のパイプオルガン。
そんな、音像空間はGENELEC 8030Aでもよく聴けるのだけど、
是非、僕が持っている同じ小澤征爾さん指揮、
ボストンシンフォニーのCDを、8030AとTD712zMK2の
2種類のスピーカーを並べて聴き比べたい。

また、アコースティックな曲だけじゃなくて、Ne-Yoや自分が作った曲など
アンプとコンプでガツンと音が前に出てる曲もTD712zMK2で聴いたのだが、
ぜんっぜん、違った。

スピーカーとは何か、それに何を求めるかを考えさせられたで。

ちなみに、4種類あるECLIPSE TDシリーズの中で最小サイズのTD307IIも
TD712zMK2と同様の音像。
やはり小さいなりの音ではあるが、正直、これ、欲しい。

TDシリーズは、箱鳴りさせない、つまり最大限色づけをしないようにした
スピーカー構造なので、人によっては、味気なく感じることもあるそうだ。
僕は、制作用にもリスニング用にも、極力ピュアな音で聴きたいので
そっけ無さは全く感じなかった。

そういう意味では、今使っているGENELEC 8030Aと方向性の近い音だとは
思っている。

ヘッドフォンも含めて、そんなに出力機材ばかりを揃えても、
エンジニアじゃないのでもったいないなぁと思う一方で、
昨今の一般的なリスニング環境を想定した音づくりをするためには、8030Aより
さらにもっと小さなスピーカーユニットもあった方がいいかもなぁと迷っていたときに
あの奥行き感を知ってしまったら. . . 。

もう一度、リファレンス音源を持ち込みで試聴した上で考えよう・・・

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