「astro note」が収録されるゴスペラーズ13thアルバム「STEP FOR FIVE」発売を間もなくに控え、
僕の個人的オススメとして「astro note」とともに読みたい本を3作を挙げてみたいと思います。
漫画からノンフィクションドキュメンタリまで、ポピュラーでキャッチーなものから、
ちょっとだけマニアックなものまで厳選してみました。
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■ 「宇宙兄弟」小山宙哉
「やっぱりそれか」との声が多数聴こえてきそうですが、この作品を外すわけにはいかないであります。
アニメ化も実写映画化もされている人気作ですが、僕もコミックで全巻揃えています。
作者小山宙哉さん自身によるJAXAへの取材なども踏まえて描かれた要素が、
フィクションに絶妙なリアリティを付加していて、面白いだけではない、魅力溢れる作品です。
Kindle版も出てますな〜!
■ 「度胸星」山田芳裕
「宇宙兄弟」と同じく、こちらもリアリティに富んだ描写が満載の漫画ですが、
よりサイエンス・フィクション要素の強いテイストで、未知なるものへの好奇心と恐怖心が煽られ、
ドキドキハラハラが止まらない。「2001年宇宙の旅」を彷彿とさせます。
この作品、2000〜2001年の作品で、当時の出版社の大人の事情により、連載打切りになってしまったそう。
“未完の傑作”と呼ばれています。時代がちょっと早かったのかな〜?
コミックも、いよいよこれから、宇宙の謎に迫る!という所で終わってしまっているんだけれど、
それだけにサスペンス感が増長されていると思う。
Kindle版出てくれないかな〜?そして続きが是非読みたい作品です。
■ 「絶対帰還。」クリス・ジョーンズ
アメリカの航空宇宙開発計画と、それに関わってきた宇宙飛行士たちの人間模様を克明に追った
ノンフィクションドキュメンタリ。
スペースシャトル、チャレンジャー号やコロンビア号の事故を始め、様々な危険を前に、
人類の中で選りすぐりのエリートたる宇宙飛行士たちが人類のまだ見ぬ夢のためにいかに立ち向かって来たかを、
宇宙飛行士本人やその家族たちの目線を交えて描写している。
この「絶対帰還。」を読んでから「宇宙兄弟」や「度胸星」を読むと、漫画的サイエンスフィクションの背後にある、
「過酷な夢に立ち向かい、困難を乗り越える勇気や覚悟、努力、そして夢への憧れの強さ」が如何ほどかが
ぞわぞわ伝わってきて、「宇宙兄弟」や「度胸星」の面白さが倍増なのです。
ちなみに、この本を薦めてくれたのは、他の誰でもない「astro note」の共作者、ゴスペラーズ/北山陽一さんです。
作品を味わう順番はさておき、「絶対帰還。」是非一度読んでみて頂きたいです。
これもKindle版、出て欲しいなぁ。
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以上3作品です。
今も続きがリリースされている「宇宙兄弟」はさておき、「度胸星」と「絶対帰還。」は、
ちょうど、僕が「astro note」の第一弾デモを作っていた頃に読みふけっていた作品です。
「宇宙への夢」というのは、
個人的に宇宙が好きとか、宇宙遊泳してみたいとか、宙から地球を見てみたいという
ひとそれぞれの願望もあるだろう事とともに、
もっと大きな、”人類最大の好奇心の向かう先”のひとつでもあると思うのです。
もともと原始地球に存在していた元素からは、僕ら人間を含む生命体は誕生し得なかった。
僕らの命は、地球への隕石、すなわち、【流れ星がもたらしたもの】なのです。
その流れ星が生まれたのは、宇宙のはるか彼方…
私たち人間を生み出した要素は、はるか彼方の宇宙でつくられたものだった──
物理学者ブライアン・コックス教授は「私たちはどこから来たのか?」という疑問の答えを見出すためには、宇宙の起源に目を向けなければならないと語る。私たち人間を含め地球に存在する全てのものは、宇宙にある元素と同じものでできているのだ。
最初に訪れたのは、ネパールにあるヒンズー教の聖地。ヒンズー教では、全てのものは破壊されて再生する、と信じられている。それは、夜空に輝く星の一生にも当てはまる。ブライアンは、「人間の起源を知るには、まず星の生と死を理解する必要がある」と語る。
人間を含め地球にある全てのものは、92の化学元素からできている。どんな複雑なものも、材料はそれだけ。そして宇宙にある全てのものも、その92の化学元素からできている。銀河の星と私たち人間は、みんな同じ原料なのだ。では、その元素はどこから来たのか。
元素は、太陽のような恒星でつくられている。元素が生まれるには、核融合が起きるほどの熱と密度が必要だからだ。例えば、太陽の中心部では、水素がヘリウムに変換されている。しかし言い換えれば、太陽はヘリウム以外を作り出すことはできない。では、他の元素はどこでつくられているのか。
ヘリウムより重い元素がつくられるには、さらに高温の環境が必要となる。そして、その温度に到達できるのは、星が死んでいく時だけ。つまり、星がエネルギーを使い果たし崩壊する時に、さまざまな元素がつくられるのだ。さらに、鉄よりも重い元素については、巨大な恒星の超新星爆発によってのみつくられる。超新星爆発を起こした後には星雲ができ、そこから新たな星が生まれる。まさに、死と再生の繰り返しだ。私たちが住む太陽系も、このようにして生まれたのだ。
生き物をつくり出すのに欠かせない要素・炭素化合物は、何十億年も前、地球に衝突した隕石によってもたらされた。私たち人間を生み出した要素は、はるか彼方の宇宙でつくられたものだったのだ。「それが、人間の起源が宇宙にあることを示す動かぬ証拠だ」とブライアンは語る。
人類が宇宙を目指すことは、「僕らの故郷を探し求める旅」なのだと思います。
人類は、未来に進むに従って、科学技術の進歩とともに地球上から宙高く飛び立ち、
“高度”という概念は”地球との距離”という概念に変わり、より遠くに到達するのでしょう。
しかし、遠く、遠く彼方へたどり着くほどに、僕らが迫るのは、僕ら自身の内側にあるもの、
僕らを構成する細胞の中の、数ミクロンの物質だったりする。
この”ある種の矛盾”は”時空の超越”と言い換えてもいいのではないかと思うのです。
そんな壮大な旅路への想いを、これらの作品とともに
「astro note」から味わって頂ければ!というのがひとつ。
それとともに、一方で、
太古の昔から僕ら人類が憧れと畏怖をもって眺めてきた宙へついに旅立つも、
人類のスーパーエリートたちが命懸けで数十年かけても未だ見ることの出来ないでいる
僕らの故郷への憧れに比べれば、相当にちっぽけすぎる…
だけれども僕らの人生、すなわちひとつひとつの小さな宇宙の歴史にとって、
僕ら一人一人が抱く夢はやはり壮大で、
それら大きな宇宙と小さな宇宙の相似(フラクタル)を感じながら、
どんな事でも何かに好奇心を持ち、夢を抱き、それに挑戦する勇気みたいなものを
「astro note」から感じ取ってもらえるならば、これ幸いです。
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※ 試聴されたい方は、iTunes Storeだと、あまり歌の部分を聴けないので、SonyMusicのサイトでチェックしてみていただくことをオススメします!
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