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仙台港港湾部

最初にこちら、「仙台に行って来ました。」をご覧下さい。

【仙台港港湾部】


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仙台市宮城野区の蒲生・中野花出といったエリアへ行った。

先に、仙台市宮城野区を敢えて東京で例えるなら、
立地と面積的に中央区・港区・品川区を合わせたくらいと表現したが、
ここは、港区竹芝、お台場、中央区晴海など、
港湾部の埋め立て地にある、ショッピングモール、オフィス、倉庫などが立ち並ぶエリアと
思ってもらうとよいかも知れない。

海に近づけば近づく程、目を疑うような光景が広がっていた。

必ずしも海からとの距離は関係なく、1区画ごとに、被害の具合が様々で
海から押し寄せる津波は海から陸に向けて押し寄せるというだけの
単純なものでは無かったように伺える。

端的に言えば、あるべきものが全然無くなっている区画と、
あるはずの無いものがありまくる区画が、パッタリ分かれていた。

それは、大きな建物が防波堤の役割をしたこともあっただろうし、
そういった障害物などの影響もあってか、波は局所的には複雑に、
全体的には大きく渦を巻きながら押し寄せ、引いて行ったようにも想像できた。

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高砂小学校から港湾部に向かう途中。
コンビニは閉店し、目張りをしている。強盗防止のためと思われる。
中の様子が伺える事で盗みに入る心理を掻き立てられるのか…人間とは。

倒壊の危険性があるのか、テープと貼り紙で注意喚起している。

次第に路面の、特に側溝に土砂やゴミが溜まり始めている事に気づく。津波が来たということだ。

奇妙に破壊されたトラック。津波による破壊、いや、もしかすると別の所から運ばれて来た可能性すらある。

散乱しているのか集積された後なのか…大量のゴミが山積している。

無惨な光景が広がった。前の写真のゴミも、車のようなサイズのものも、津波の前では同じ、ということか。

どこからか運ばれてきたコンテナが、道路の中央分離帯に乗り上げている。

街路樹が根こそぎになって、落ちていた。
海水にやられ、完全に枯れている。

溜まった泥や砂を掃除する車のパーツ屋さん。奥に見える倉庫の建物の壁のブルーシート。
地震が起きた時に爆音を立てて、壁が吹き飛び、大量の米が落ちて来たそうだ。
地震の揺れによって歪みに耐え切れなくなった壁のパネルが外れたのか、
荷崩れした米の荷重に耐え切れなくて壁が破れたのかは、定かではない。

左奥に広がるのは、大型ショッピングモール、
仙台三井アウトレットパークである。観覧車がある。

津波の衝撃。

三井アウトレットパークの前。案内看板が基礎から根こそぎ倒されている。
機関車トーマスは子供用の乗り物遊具だろう。

ガードレールや柵もめためた。電柱もなぎ倒されている。

車のスクラップが山積

震災発災から、様々な凄惨たる光景をニュースなどで見る。

しかし、どんなメディアであれ、伝えられる映像や写真は一定の画角内のものである。
(という意味では、ここに掲載した写真もそうだ。)

現場の中に立ってみた時、
あるべきものがない、もしくは、あるはずのものがありまくる光景、
鼻から喉にかけて絡み付くような油まみれの匂い、
ただ淡々と吹いている風の肌触り…
あまりに現実とは思えない現実に、呆然としてしまった。

港湾部を後にして、再度、仙台駅近くへ戻り、
現地ボランティアとして活動中のADRA Japanさんやニコニコ動画さんと打合せ。
ADRA Japanさんは、何と地震発災の翌日には現地入りしていたという。凄い。
情報の共有を図った。


レポートは以上になります。
撮影に躊躇してしまった場面もあったし、
文章でも巧く伝えられないものがたくさんあるのですが、
少し状況はわかってもらえましたでしょうか?

発災直後から様々なメディアを通じて入って来る情報を得るたび、
何かしたい、しなくちゃいけないと思いながら、
日々の制作仕事が鬼のようなスケジュールで立て込む中、
せめてもの募金を済ませ、仕事が少し落ち着いたらもっと具体的な支援をしたい、
と思っていた矢先に急遽決まった今回の視察だった。
実際の被害現場を見て、現地で話を聞いて、
被災地外の僕が本当に何が出来るのかをずっと考えている毎日である。

未だ、被害の全容がわからない中、原発事故も併発している中、
復興にはそれなりの時間を要する事は明らかだろうと思う。
自分の知恵や力を何とか生かして、出来るだけの支援はしたいと思う。

最初に書いた通り、必要な支援は、質・量・時期、全てが多様だ。
みんなが知恵や力を持ち寄れば、多様性が生まれ、本当に大きな力になると思う。

被災された方々には、みんな独りじゃない、僕らがいると伝えたいし、
僕らは僕らで、独り独りじゃない、みんながいると思っている。
そして、世界中から応援・支援を頂いている。

そんな事を思っている次第です。

この視察において大変な光景、しんどい状況をたくさん目にした中、
希望というか、何だかほっとした場面があった。

それは、避難所でみかけたちびっ子の笑顔。
元気に鬼ごっこをしている様子を見ていたら、
こちらに気づいたようで、少年がにっこり微笑みながらピースサインをしてきた。

左手を挙げて返しながら、思わずカメラを構えた自分がいた。


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